2006/03/05
3月5日。
通常通りスプラッシュ制圧作戦を準備していた國士部隊に、とんでもない情報が舞い込んできたのは作戦開始の三日前であった。
「関東を代表する2部隊がスプラッシュ作戦にて共同作戦を決行する予定」
この情報を耳にした我らは、体中の血が騒ぎ立てるのを感じずににはいられなかった。
以前のユニオンにて、史上空前とも言える4チーム混合戦の激戦は記憶に新しい。あの強豪チームと定例ゲームにて共同作戦を遂行できると言う事は、國士にとって最高に誇りであり名誉でもある。さらにはチームとしての連携や各個人の飛躍的なレベルアップのチャンスなのである。
この情報を聞くや否や、國士部隊は直ちに武器弾薬の整備・装備品の充実・強化を図った。
グレーはM733を購入したかと思いきやM14を購入、さらにはダットサイトを取り付けるためにマウントを新たに購入。
デルタフォース仕様のため、ボディアーマーを購入した。次期にチェストポーチも購入予定との事だ。
ブラウンも装備を一新、レンジャー仕様にフリッツメット、さらには持って無いのにナイトビジョンマウントも飾りで購入。
火器もFN MINIMIを購入し、現在はルンペンに近い生活を送っている。
ブラックは、ハイパワー化しすぎて入院したSシステムを見事復活、今回の作戦に合わせたセッティングを敢行。
また、フロントヘビーを少しでも解消するためにフォアグリップを高価なものに交換して望む。
リーダーも、連射速度が著しく劣るバーンスバージョンにM4のモーターを換装するなどしてスプラッシュ対策に余念がない。
さらには、当日は使う予定にしていなかったM60を当日朝に導入。しかも動作は良好な状態だ。
士長も前回に引き続き参加を表明。
ブルーは今回も仕事のため不参加だったが、上司に銃口と言う名の交渉術で勝利し、18日のインドアに臨む。
当日朝。
興奮のためかメンバー全員あまり眠れずに朝を迎えたが、気合は既に最高潮であった。
早速全員がトヨタ製ハンヴィーに乗り込み、戦場へと向かう。
が、高速に乗りしばらく走ると渋滞に巻き込まれてしまう。
どうやら3km先でブラックホークが撃墜されたらしいとの無線が車内を飛び交う。渋滞の原因はそれだろうか。
せっかくの共同作戦なのに遅刻は出来んと、イライラが徐々に殺気へと変化していった。
渋滞にハマってから30分が経過した時、ガマンできなくなったグレーがM14片手にクルマから飛び降りようとした時、グレーのインカムに別の無線が入った。
Storm.Mobility.Unit.of.WAKO(スモウ部)のリーダー、DAISUKEさんからであった。
どうやら、DAISUKEさん達は既に戦場近くに辿り着いていたが、地元民兵の激しい攻撃を受けハンヴィーが足止めを食らい、走行ルートを見失ってしまったらしい。
我らもその後ようやく高速を降り、民兵からの激しい銃撃を受けつつスプラッシュへと急いだ。
我々が到着すると、既にStorm.Mobility.Unit.of.WAKO、AirGun Fitness Club(A.F.C)のメンバーは装備を整えていた。
急いで支度を済ませ、共同作戦を遂行するべく3チーム同じグループになるように登録を済ませた。
気温は低くも無く高くもなく、動くのにはちょうど良い天候である。
AM10:00
戦闘は初戦から激しい銃撃戦で幕を開けた。
速攻に転じたのはA.F.Cのリーダー、やたろう氏だった。
巧みに遮蔽物を利用し、敵の銃弾を回避しつつ敵主力部隊との相対距離を確実に縮めてゆく。
「援護射撃!」
やたろう氏を後方から援護する國士部隊。
この間にスモウ部部隊は右翼から陽動に出て敵主力を包囲する作戦だ。
しかし、敵の主力部隊もただ手を拱いているだけの一般部隊ではなかった。
即座に我々の陽動・包囲殲滅作戦を見抜き、突如全軍による大攻勢に打って出たのである。
その銃撃は苛烈を極めた。
「ローディーング!」
凄まじい戦闘による弾丸の消費は著しく、突出したやたろう氏はもちろんの事、後方支援のメンバーも徐々に戦線を圧迫されていった。
「まずいぞ、このままじゃやたろうさんがやられる!」
必至に応戦するも、戦力の差があり過ぎた。
敵は視認出来るだけでも15〜20はいる。
敵部隊が猛攻に出れば勝ち目は無い。
ブラックの提案により、後方支援部隊を前進させ、やたろう氏を援護しつつ戦線を確保する作戦が急遽決行された。
國士リーダー以下3名が前進、士長とブラックが後方から援護する。
「前進!」
リーダーの指示により、デルタを戦闘に國士部隊が突入!
後方からは國士一の連射速度を誇るSシステム、レンジャー部隊によるミニミの圧倒的な火力で敵の動きを封じ込める。
それでも動こうとする敵をスナイパーの士長がピンポイントスナイプする。
一時的に敵の主力部隊が後退したため、國士部隊はかろうじてやたろう氏の所まで辿り着く事に成功した。
やたろう氏は負傷していたものの、すぐさま後方に待機させていたリトルバートにて救助された。
見ると、やたろう氏が居た周りには空になったSIGのマガジンと、異常な数の薬きょうが散らばっていた。
そして、目の前には敵の死体が絨毯のように横たわっていたのである。
戦線は確保したものの、一時的に後退していた敵部隊は兵力を増強して再び激しい攻勢に出てきた。
雨のような弾幕に身動きが取れない國士部隊!
「まずい、このままでは…!」
と、その時!陽動に出ていたスモウ部部隊が右翼から援護に到着した!
「山に登った敵は全て片付けた!!」
山側からの敵別同部隊を壊滅し戻ってきたスモウ部が合流した所で、一気に形成は逆転する。
各リーダーが作戦を新たに考慮する。しかし残り時間はあと5分を切っている。躊躇は出来ない。
スモウ部のリーダー、DAISUKE氏が単独で先行・陽動する。ハンドサインで全メンバーに合図を送る。
右翼から回り込みさらに陽動をかけ、下の歩道に出てきた敵部隊を残りのメンバーによる一斉射撃にて壊滅する作戦だ。
中盤の中継を守るのはブラック。
スモウ部のS氏・國士の士長は後方から援護。
残りのメンバーは國士リーダーの元、最後の攻勢に全てをかける!
「GO!!」
DAISUKE氏の合図で一斉に行動開始!
とっさに気付いた敵の先行部隊が動こうとしたが、既に遅かった。
「援護射撃開始!!!」
渾身のフルオートの弾幕が敵の先行部隊の目をDAISUKE氏から遠ざけた。
一斉射撃による火力は先行部隊を完全に混乱させ、大打撃を与えた!
敵部隊は突然の猛攻に対処しきれず、歩道に散らばるように後退する!
次の瞬間、スナイパー2名がワンホールショットショーを披露する!
その正確過ぎる狙撃の嵐に次々と倒れる敵兵!
取り乱しながら逃げる敵の先行部隊を、圧倒的な火力で掃討するブラック。
その間に國士リーダー率いる先行部隊は前進。
敵の後退に合わせ、中盤で援護していたブラックもスナイパー2名に合図を送り前進する!
単独先行したスモウ部リーダーDAISUKE氏とも再合流し、一気に敵フラッグを狙う!
そして、戦闘終了の5秒前、澄み切った大空に敵軍壊滅の報を知らせるアラームが響き渡った。
そして、そのフラッグゲットの栄光を手にした隊員は・・・
「全然知らない味方ちーむのスナイパー」
(´д`;)えぇえええええええええええええ
…しかもスナイパーさんですか…
とにかくも、3チームが恐ろしいまでに連携した作戦で堂々たる勝利を挙げたのであった。
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